看護師としてのお別れ ― 訪問看護での死後処置に込める思い
こんにちは。
あおいろ訪問看護ステーション 代表・管理者の大橋です。
先日、久しぶりに看取りと死後の処置を行いました。
長く関わってきた利用者さんだったので、やはり寂しさがこみ上げてきます。
私は死後の処置に関して、「そこにあるもので整える」という主義です。
もちろん亡くなる過程を事前にご家族へ説明したり、予測を共有したりはしますが、
それでも「明日も会える」と思いながら訪問していますし、スタッフにもそうしてほしいと願っています。
そのため、事前に“死後の道具”を準備して訪問することはありません。
例えば、ワセリンとご家族からお借りした口紅があれば、血色は十分に整えることができます。
5分もあれば仕上げられ、「生きているみたい」と言っていただけることも多いです。
着替えをする場合もありますし、しない場合もあります。
これまで何百人もの死後処置を行ってきましたが、
「葬儀社がやるのだから、看護師がわざわざやる必要はあるのだろうか」
と思ったこともありました。
実際、死後処置を基本的に行わない訪問看護ステーションもあると聞きます。
しかし、処置をしている間にご家族が集まり、思い出を語り合うことで、
少しずつ悲しみが和らいでいくように感じるのです。
そして何より、私自身、看護師としてその方にお別れをさせてもらいたい。
だからこそ、私たちのステーションでは死後の処置を大切にさせていただいています。