簡易浴槽「ゆっくん®」を用いた、床上での入浴

あおいろ訪問看護ステーションではゆっくん®を用いた床上の入浴をサービス提供しています。ビニールプールのような作りで、空気を抜くと、平らになるので、ベッドに寝たままの状態でも、シーツを敷く要領で、浴槽を設置できます。

看護師3人で行いますが、実は、入浴のプロの方が行う「訪問入浴」には到底叶いません。湯の量も少ないですし、沢山のバスタオルの準備なども必要です。なので、状況に余裕のある場合は、訪問入浴のご調整をさせていただいています。(訪問入浴さんも3人から4人でこられますが、その手際の良さにいつも「すごいな」と感激してしまいます。)

ではなぜ、床上の入浴を準備しているのかそれは「今すぐ」入浴していただきたい場合や、訪問入浴ですらも、体がつらく、訪問看護師の目が常に必要なケースがあるからです。

以前の事業所で、処々の事情から「どうしても麻薬を使いたくない」ご利用者様がおられました。少しの刺激で、激痛が走る。体位交換やおむつ交換すらもままならない状況で、背中に大きな褥瘡ができてしまったことがありました。その方のご家族が「風呂に入れてやりたいな」と言っておられたのを思い出します。あのとき「ゆっくん」を持っていたら、お風呂に入れてあげられたのになあ、といつも思い出します。

話戻りますが、「湯が溜まらない」とはいえ、入浴は入浴ですので、清拭(体をふく)よりは各段にキレイになります。シャンプーもしますので、終わった後は、すっきりと整った姿になります。整った姿で、来客に会えるというのは、ご本人にとっても、ご家族にとってもとても良いことのようで喜ばれることが多いです。ということで心地よさという点では、十分でないものの、床上の入浴は「そのひとらしさ」を保つためにはとても需要な訪問看護のアイテムだと思います。

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